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掲載日:2010年9月11日

川は町の姿を映す鏡

〜まちの顔は駅前繁華街なんかじゃない〜

開催日:2010年7月17日(土)
会 場:コーヒー屋シュッツ
話し手:渡部 郷さん (笹目川の環境を守る会)

渡部 郷さん

目次

はじめに

 私の住んでいる近くに笹目川という小さな川が流れています。5年前から、「笹目川の環境を守る会」に入り、河川の清掃を中心とした活動を行っています。今日はその活動の状況と、NPO活動についての私なりの感想をお話しさせて頂きます。

 みなさん「川」というとどんなイメージを持たれますでしょうか。日本は雨が多い国で、どこに住んでいても近くに川があります。関東地方は平野が広く、いたるところに川が流れています。

 大都市の中心部で暮らすと、なかなかその機会は少ないかもしれませんが、地方では子供たちは川遊びを経験し、川に親しんでいると思います。私も子供の頃は、島根県の津和野の高津川(日本でも有数の清流)で、夏休みになると朝から晩まで魚を釣ったり、泳いだりし、川遊びをしていましたので、川には親しみを持っていました。

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1.川と人間生活の関わり

渡部 郷さん

 川はいろいろ手が加えられていますが、本来的には自然です。山や海や丘陵など他の自然に比べ、川は自然の中でも人間生活とのかかわり、結びつきがはるかに強く、人の生活に欠かせない存在になっています。世界四大文明の発祥地はいずれも大きな川のほとりであったことは、ご案内のとおりです。

 また川は水を安定的に供給していることから、飲料用水源、灌漑用水源、水産、水運、レクレーションの場と多様な用途に利用されています。言わば人の生活の基盤になっているといってもいいでしょう。

 さらに川は自然環境として潤いのある空間を形成し、アメニティー資源のもとになるとともに、海と同様、気候の緩和にも役立っています。

 このように川は人の生活にとって重要な存在になっていると言えます。

 ところで、「川」とはなんでしょうか。広辞苑では「地表の水が集まって流れる水路」とあります。地学事典では、「地表面上のほぼ一定した流路を通って下方に流れ、ついには湖や海に注ぐ水体と、その通路となる河道を含めた総称」と定義しています。要するに水とそれが流れる水路を総称して川と言っています。

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2.日本の川、埼玉の川

 日本には約3万5千以上の川があります。一級河川、二級河川といいますが、これは河川を管理するための法律である河川法上の用語です。国土の保全、公共の利害、国民経済生活にとっての重要度から、一級と二級に区分されています。

 一級河川は国(国交省)が管理し、二級河川は都道府県(知事)が管理します。一級河川は複数の都府県をまたがる場合もありますが、またがらない一級河川もたくさんあります。二級河川は一つの都道府県内や都府県境を流れているものが多く、川の長さも比較的短いです。

 荒川は一級河川ですが、荒川本流に流れ込む支流が106あります。本流支流を合わせて法律上では全体を荒川水系と呼んでいます。

 関東地方には荒川水系のほか利根川水系、多摩川水系、鶴見川水系、相模川水系、那珂川水系、久慈川水系、の7つの一級水系が指定されています。

 それぞれの水系には本流に流れ込むたくさんの支流がありますが、本流が一級河川だと、そこに流れ込む支流も全て一級河川になります。二級河川が一級河川に流れ込むということはありません。

 埼玉の場合、西に荒川があって、東に利根川があります。間に中川がありますが、これは最終的に都内で荒川に合流します。ですから埼玉の川は、一級河川の荒川か利根川のどちらかに流れ込みます。したがって埼玉には二級河川はありません。すべて一級河川です。

 一級河川、二級河川以外で大規模な河川工事が予想されないような小規模な河川は、準用河川として市町村(長)が指定します。

 国土交通省のホームページによると、全国で一級河川は109水系(14,051河川)、二級河川は2,713水系(7,074河川)、準用河川は14,429河川あります。

表

 埼玉県の川について見ますと、県の面積に対する県内の河川面積の割合は3.9%で日本一です。県では県民の誰もが川に愛着を持ち、ふるさとを実感できる「川の国埼玉」の実現を目指して、川の浄化、再生を県政の重点施策として積極的な取り組みが行われています。

 平成20年度から4年間で、県内100ヶ所において水辺再生事業に取り組み、現在いろんなところで川を浄化するための工事が行われております。さいたま市内でも、鴨川、芝川、藤右衛門川、深作川などで、清流復活事業が進められています。

 また県内には川の浄化に取り組む市民団体も多く、県に登録されているだけでも120団体に達しています。

 このような河川愛護団体が連携しての取り組みも広がっています。本日の資料にある「さいたま市水環境ネットワーク」は、さいたま市内で川の環境に関わる市民グループの集まりです。20団体が加盟しています。県レベルでは120団体が集まってネットを組み、川の浄化活動を進めています。「みずすましクラブ」というホームページで、活動が紹介されています。

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3.笹目川の環境保全〜川はまちの顔〜

 笹目川は武蔵浦和駅近くの白幡沼付近を起点とし、戸田方面に流れ、戸田競艇場付近で荒川に注いでいます。全長が5.1kmの一級河川です。

 笹目川は自然の川ではなく、掘削した川です。大正末期から昭和初めにかけて、農業用水、家庭雑排水の排水路として開削された人工の川です。以前は農業用水の排水が中心でしたが、戦後周辺での開発で宅地化が急速に進み、家庭排水の流入が多くなってきたことから、川がだんだん汚れてきました。このため平成3年から河川の大規模な改修工事が行われました。

 都市の中を流れる川は往々にしてコンクリートで覆われ、治水対策上水路をまっすぐにしてなるべく水を早く流れるようにすることが多いのですが、そうするとなかなか生物が育ちません。生物にとっては住みにくい川となっています。

 笹目川改修の際は、川幅を少し広げ、水が蛇行して流れるよう石を埋めたり、蛇篭を入れたり、あるいは護岸を緩傾斜にして川に親しめるような工夫をした工事が行われました。多自然型河川改修と呼ばれています。

写真

 このように川を自然の形になるべく近づけようとする取り組みが、笹目川上流部1.2kmで行われました。平成3年から11年までかかりました。これで見違えるように環境がよくなりました。周辺に下水道が普及したということも浄化の一因ですが、川の構造を変え自然に近づけ、生物が住みやすい環境の川に再生されたのです。地域住民が親しめる景観的にもすばらしい川になりました。

 現在工事が終わって10年ほどたちますが、水辺には緑が回復し、毎年行っている子供たちによる生きもの調査によっても、川の生きものが戻ってきていることが確認されています。

 下水道の普及は別の問題を生じさせています。100%に近い普及率となり、家庭の水が笹目川に流れ込むことはほとんどなくなりました。そうすると川の水が減ってきます。水が減ると汚れが目立ちます。このため平成18年、荒川から水を導水する工事が行われ、南区内谷橋まで水を送っています。そこから笹目川に水を流し水を増やしています。これは浄化用水導水事業と呼ばれています。これにより毎秒0.3tの水が笹目川に流れるようになりました。

 こういった河川工事、下水の普及、浄化用水導水などの対策で、水質は格段に向上しました。BODの値がここ10年着実に改善し、最近では目標値のBOD=5をクリアしています。

グラフ

 環境改善でさまざまな生物が帰ってきました。カワセミが3年前よりよく現れるようになりました。土、日になるとカメラマンが撮影に来ています。カワセミは集団ではなく、単独で飛んでくるので、カメラマンの中には終日カメラを構え、カワセミが来ると連写しています。別所沼や白幡沼などいろんな所で見られるようになりました。

カワセミ

 笹目川の浄化対策については、国や自治体が連携し、「菖蒲川・笹目川清流ルネッサンスU」という環境改善計画を5年前に策定し、施策の推進に取り組んでいます。一方市民団体も、「ルネッサンスU」の計画の中に河川美化活動という項目がありますが、そういう中で笹目川の清掃、環境学習などの分野を担っています。

 「笹目川の環境を守る会」の紹介をいたします。

 笹目川には改修工事で遊歩道などもできて、朝夕には多くの人が散歩しています。景観も非常によくなったということもあります。

環境浄化に取り組む

 地元の人たちの活動で、「カレンダー調査員」の活動があります。これは県の河川管理を所管している事務所が募集したもので、川を観察してその状況を報告するボランティア活動です。その調査員が中心になってできたのが、「笹目川の環境を守る会」です。観察して報告するだけでは物足りない、川の浄化にもう少し積極的に取り組みたい、ということで平成17年に発足しました。

 「守る会」は笹目川の環境浄化に取り組むという目標を掲げています。活動内容は、環境に関する調査研究、美化清掃活動、意識啓発、ルネッサンスUへの協力、関係団体との交流、などです。

さいたま市景観協力賞

 活動開始早々、会員が笹目川の写真を送ったのがきっかけで、「さいたま市景観協力賞」を受賞しました。

 毎年、夏には「生きもの調査」を行っています。前日に網を仕掛け、当日子供が集まったところで引き上げ、掛かった生きものを観察させ、終わったら川遊びをする、というものです。子供たちの川や生きものに対する関心は強く、毎回50-70人が参加します。我々の目標は、こういう催しを通じて川に親しみ、地域の人々に川の浄化をアピールをすることです。

生きもの調査

 守る会が発足して今年で5年目になります。しかし我々の美化活動で川がきれいになるということはありません。川の環境を守っていくためには、地域住民の方々に少しでも川に関心を持ってもらうことが大切です。それによって川を守るという意識が醸成され川がまちの顔になり、川が文化になることを目指しています。

笹目川の環境を守る会の主な活動状況

 立派な市庁舎や駅前の繁華街がまちの本当の顔ではありません。地域や生活の姿をそのまま反映する川こそがまちの顔です。川はまちの姿を映し出す鏡です。

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4.市民活動と社会貢献

1)地域のことがよくわかってくること

 私は埼玉県内在住40年以上になります。最初は上福岡に10年間、その後浦和に引っ越し30年以上たちました。勤め先は東京でしたので、その間埼玉のことはあまり知りませんでした。

 6年前にリタイヤした頃、さいたま市報に「川の調査員募集」の記事が載りました。前述の「カレンダー調査員」の募集です。犬の散歩をしながら川がきれいになってきたなあと感じていたこともあり、応募してみようと思いました。この時7人が調査員に任命されました。ほとんど地元の方です。私と同様、よく川のほとりを散歩されている方々でした。

 しばらく調査活動をしておりましたが、ただ調査するだけでは物足りないという話が調査員の間で出まして、ゴミ拾いでもやってみようとなりました。それで「笹目川の環境を守る会」立ち上げの準備連絡会を7名で作りました。どういう会にするか話し合い、半年後に会を結成しました。 最初は他の類似団体の活動などを参考にしながらやっていましたが、2年後には会員も30名近くになり忙しくなってきました。必要な情報を伝達、共有するため会報を作りました。

 地域で進める活動なので、地域のことがよく見えてきます。川には短時間でも毎日行きますし、会報はほとんど自転車で手配りします。1時間くらい掛かります。地域が変わるなあということがよくわかります。

 会報に笹目川に関する一口メモをコラムで紹介していますが、取材のため図書館や役所などに行きますと、また地元のことがわかります。特に歴史的なことは現状を見ているだけではわかりません。

 月に1回の清掃の日には会員が集まります。10-20人が清掃しながら情報交換、世間話をします。家にいるだけでは入らない地域の情報を聞けます。現役時代にはかなえられなかった貴重な体験を得ることができました。

 地域のことがわかってくると自ずと地元への愛着もわいてきます。自治会の町内清掃や防犯パトロールに参加すると、そこでもまた人の交流が生まれてきます。

2)社会参加と人的交流が進むこと

 私どもの守る会もNPO(非営利活動団体)の一つです。しかしまだ法人にはなっていません。会の目的、ミッションは会則にも書いてありますが、笹目川の環境保全をはかり、まちづくりの推進に寄与すること、平たくいえばゴミ拾いをして川をきれいにしよう、ということです。ささやかですが社会貢献活動といえます。このような社会貢献活動を通じて社会に参加しています。

 NPO活動とは世のため、人のため働くことともいわれていますが、社会参加している、参加できることで、個人的には生き甲斐や、ある種の達成感を得ることができます。生きがいや達成感が得られるとなれば、これは世のため人のためというより、自分自身のためであるとも言えます。NPO活動にはそのような魅力があり、人が引きつけられる力が潜んでいるのではないかと思います。

 NPO活動、ボランティア活動を.通じておおぜいの人に出会うことができます。そこでは損得抜きの交流があります。地域の多くの人々との交流ができる機会が得られることは、何にも代え難い収穫です。この仲間づくりができることがNPO活動の魅力の一つでもあります。

3)行政、他団体と連携・協働すること

 NPO団体は民間団体ですが、活動は私的なものではなく公益的なものです。したがって何らかの形で行政との関わりが出てきます。市役所に活動費の補助申請に行ったり、県に「里親制度」に基づいて、ゴミ袋や手袋などの消耗品の支給申請を出したりしています。活動中の事故に対する保障として、県が傷害保険をかけてくれたりもします。

 また活動状況や参加状況を情報発信するため、県のホームページに載せてもらいPRに一役買ってもらっています。県や市が川の環境に関するイベントを行う際、参加させていただくこともあります。寄居の「川の博物館」に、我が会のパネルを持ち込んで川の行事に参加したこともあります。

 このように役所との折衝、依頼、情報入手のため、行政機関とのコンタクトが必要になってきます。NPOの活動分野は環境、福祉、防災、社会教育、消費者問題など広い範囲にわたりますが、いずれの分野も不特定多数の利益の増進に寄与する公益的な活動と言えます。一方行政は公的機関として公益的な施策を実施していますから、その限りでは、NPOと行政は連携し、目的達成のため協働できる関係を築いていくことが可能です。

 行政と民間のNPOでは活動、仕事の進め方や手法は異なりますが、行政とNPOがそれぞれ補いあいながらやっていくことが大事です。

 両者が公益を実現するため、円滑な協働関係を築いていくことがNPO事業を安定的に進めていくうえでのカギになると思います。

 また、他の類似の団体との連携、交流をしていくことも会の活動を活性化していく上で欠かせないことです。他の団体からはいろんな刺激を受けることができます。そうすることでNPO活動ならではの新たな人的交流も生まれます。

4)NPO活動の成果とは

 「活動をやってこられて、川がきれいになったり、ゴミが少なくなったんですか」とよく聞かれますが、なかなか答えが出ません。清掃してしばらくすると川にゴミがたまりますし、ゴミを捨てなくても雨や風で川にゴミがたまってきます。

 ゴミを拾う人がいる一方、捨てる人がいます。捨てる人の方が多いのではないでしょうか。ただ公共的な場でゴミ拾いをした経験のある人は自分からゴミを捨てることはないでしょう。ゴミ拾いに参加する人が増えるとゴミを捨てる人がそれだけ減ります。できるだけ会員を増やしていくことがゴミの減少につながります。加入してもやむなくやめられる人もいますが、ゴミ拾いを経験したことでゴミを捨てなくなります。

 会員募集に当たって心がけなければならないことは、会の目的に賛同して入会を希望する人はすべて入会を認めることです。会の運営に不平不満を言う人も決して排除せず受け入れます。NPOは公益的活動を行う団体です。特に公的な財政支援などを受けている場合には、公平で透明性ある運営が求められます。そのような観点からもNPOの運営には、趣味のサークル活動などと違って、それなりの使命感と緊張感をもって取り組むことが必要です。

 といってもNPOも一つの組織です。組織の成果を上げることが期待されています。企業は利益をあげること、行政は住民の福祉、安全の向上に資することを目指して組織を存続していくことを前提としていますが、NPOの場合は、目指す目的が達成されれば存在する必要はなくなります。いわば時限的組織です。

 笹目川がきれいになり、まちづくりが推進されれば目的は達成されたことになりますから、そのときはめでたく解散です。私たちはその日を目指して多くの人に参加していただき、一日も早く解散できるように、今後も活動を続けていきたいと思っています。

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質問

渡部 郷さん

Q 会員の年齢層はどうですか。会員の増やし方、常時出てくる人数はいかがでしょう。

A 男性は50代〜70代で60代が中心です。女性は40代後半から50代が多いです。会員は現在22名ですが、3分の2は女性です。会員募集は機会あるごとに広報したり、会員が仲間に呼びかけたりしています。清掃活動に常時参加するのは半分くらいです。

Q 会員は南区の方が多いのですか。

A 浦和区や桜区の方もいます。守る会が活動している地区の下流部で自治会が中心になって組織された「笹目川をきれいにする会」が、同じような活動をしています。「生きもの調べ」などは戸田市の会も含めた3者で一緒にやっています。

Q 将来的にはホタルとかを飛ばすような計画もありますか。

A 話はありますが、相当時間がかかるでしょう。川を土手の上から見ている限りではきれいに見えますが、川の中にはいると、BODなどの基準はクリアしていますが、それほどきれいではありません。子供たちと川遊びをした際には、後で必ずシャワーでよく洗うように言っています。

Q 住民が関心を持たないと川はきれいにならない、繁華街や駅前がまちの顔ではなくて、地域の姿を映す川がまちの本当の顔だ、とのお話ですが、生活の中に川がないと川はきれいにならない、ということでしょうか。

A 生活の中に川を取り入れると言うことは単純にはできません。今、埼玉県では川の浄化再生100プランの推進に力を入れています。緊急5カ年計画で県内河川の100ヶ所の浄化対策を進め、親しめる川の実現に取り組んでいます。それが実現して川の浄化が住民の目に見えるようになれば、川への意識も変わってくると思います。守る会結成も笹目川の改修工事の完成をきっかけにしています。
川を生活の中に取り入れるというのは現状では難しいですが、モデルケースではあっても100ヶ所が完成すればかなりの意識改善になることが期待されます。
100ヶ所を選ぶのも環境団体や自治会の意見を採り入れて選んでいます。その手法でも関心を持つように工夫されていると思います。川のカレンダー調査もその一つでした。住民に川への参加意識を持たせようと始められたのです。

Q 昨今の異常気象で大雨が降ったりして、これまでの防災計画を見直すことが余儀なくされています。このような環境変化の中での今後の川の自然環境を守る活動について、どのように話されていますか。

A 1時間50ミリの降雨量が現在の防災計画の基準になっていますが、昨今のような状況をふまえると見直しが必要であると思います。しかしこれは膨大な経費がかかります。
当面の災害防止は、正確な警報を住民にしっかり伝えることに力を入れることが必要でしょう。被害を最小にするには、適切に避難できるよう情報を流すことをまずやっていくべきでしょう。

Q 災害防止にはコンクリートで覆って、早く流す方がいいのでは。笹目川はゆっくり流れるように改修されましたが。

A その兼ね合いはいつも議論になるところです。自然保護派と治水対策派のぶつかり合いといいましょうか。人命が一番優先されるのは当然ですが、どこでも早く流した方がいいとも限りません。川幅を広げるのも有効な対策ですが、工事費よりも用地買収費がかかるなどの問題もあります。

Q 川をきれいにするため、ゴミを拾う活動とともに、合成洗剤を使わない運動などはどうでしょうか。

A 他の団体では洗剤問題に精力的に取り組んでいるところもあります。学校に出向き子供たちに、川の汚れをなくすためにどうしたらいいかを伝えている団体もあります。石けんの話が必ず出されると聞いています。

(終わり)

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<スタッフ>
テープおこし:谷口正
HTML制作:山野井美代
お問い合わせ:  NPO「大人の学校」
住 所:  さいたま市南区別所5-1-11
TEL/FAX:  048-866-9466
Eメール:  otonano-gakkou@cure.ocn.ne.jp

[制作] NPO(特定非営利活動法人) 大人の学校