掲載日:2010年9月20日
こんにちは、暑い中お集まりいただきありがとうございます。
まず、自己紹介をさせていただきます。名前は森崎正幸と申します。整体師と生活習慣予防指導士として、今現在調(つきのみや)神社の前で整体院を開業しています。自律神経失調症を克服したということで、ずっとサラリーマンをしていましたがそろそろいいんじゃないかと、思い切ってこういう道へ入らしてもらいました。何度か機会を得て自分が培ってきたことを少しでもお伝えできたらなあと思っています。
今日は「私はこうして自律神経失調症を克服しました」という題でお話をさせていただきます。まず、自律神経失調症ってなに?というのがあるかと思います。これは簡単にいいますと、自分の意志では動かない自律神経というものがあって、それのバランスが何かの影響で崩れてしまった、それでいろんな肉体的な不定愁訴が起きてしまっている状況、それが自律神経失調症というふうにとらえてください。原因とか症状まで細かくお話ししていきますと長くなってしまいますので、簡単に心や身体に起因するさまざまな不定愁訴ということでご理解下さい。だいたい1時間ほど話して、あとは皆さんからの質問とかで時間を回していきたいと思います。
まず発症は20代の後半です。27〜8歳でした。実は27歳で結婚したんですが、結婚してすぐだったので女房はたいへんな目に逢いました。当時は営業マンをしていましたが労働条件や労働環境がそれこそ昭和初期の軍隊式の会社だったんです。月月火水木金金というかんじでほとんど休みがなかったですね。月に一回、最初の日曜が唯一休みでした。第2日曜からはもう休みがあるかどうかわからない。営業成績によってということになります。拘束時間が8時から9時までですから、朝6時前に起きて寝るのが12時1時という状況です。そういうのがずっと続いていました。
肉体的にも相当疲れていたんじゃないかなと思います。ただ原因は肉体的なものではないと自分では思っています。精神的なストレス、これが引き金になったんじゃないか、と、のちのち考えて思います。どういうストレスかといいますと、私は当時不平不満だらけでした。そういう労働条件があるにもかかわらず、例えば賃金の不満であったり、あるいは上司のいろんな指示などに対する不満。日曜日に仕事で外に出されるが上司は会社にいて競馬をやっているとか。そういうのが不満でした。あとは、同僚や同期生に対しても不満やねたみを持っていました。サラリーマンには上手下手というのがありますが、私は下手なんです。ところが、うまく上手を言えるような人がいるわけです。そういう人が嫌いで嫌いで、そういう人が上司に目をかけてもらうのをみるのが嫌で、それに目をかけている上司も嫌で、そういうのが渦巻いていました。
心の葛藤で、当然営業成績が不振になります。仕事に気合が入らないので不振になります。そこでまた何だお前と言われて、どんどん負のスパイラルに入っていきました。今考えれば、なるべくしてなったということですね。あれだけの状況で病気にならないほうがおかしかったんだと思います。
疲れたなあと、ゆっくり休みたいなあと思いました。そしたら神様が病気になって休ませてくれたんです。それからは神様は手段を選ばずに願い事のみを聞いてくれるのだということが分かり、変な願い事は思わないようにしていますが・・・
症状がどういう症状だったかといいますと、まずご飯が食べられない。とにかく受け付けない。食べものを受け付けない。あと急に体が熱くなる。急に脂汗がでたり、全身の力がガクンと抜けたり。体重は当時60kgくらいあったのが半年ほどで47kgに激減しました。
当時医者に、普通の人は体力で生きているが君は気力で生きている。仕事は身がはいらないでしょう、と言われました。そこまで体力的に衰弱していました。朝電車に乗るときにその電車に乗らなければ間に合わないと分かっていても走る気力も体力がない、そんな状態でした。
最初どこへ行ったかというと、ふつうは病院に行きます。みんな病気になったら当然病院に行きますよね。私も同じように病院に行きました。ご飯が食べられない、吐くということだから、当然胃腸科ですね。食べられないのでレントゲンを撮ったり、薬を飲んだり。もしかしたら胃腸以外に原因があるかもと内科にもいきました。そこでもレントゲンを撮ったり薬をもらったりします。
今だったらうつだと言われて、心療内科に行きなさいと言われたでしょうね。しかし、うつ病と自律神経失調症のはっきりとした境目は医者にも分からないそうです。心療内科を受診したらうつ病と言われて、内科を受診したら自律神経失調症と言われるということではないでしょうか。
当時ついた病名は神経性胃炎、十二指腸潰瘍、自律神経失調症・・・等。いろんな薬を処方され飲みますが、全然薬がきかない。つまり、回復しないで横ばい状態でした。
その時たまたま会社にパートさんがきていて、34〜5歳のやせ形でかっこいい女性で、その人が玄米療法をやっていることを知りました。今でいうマクロビオティックですね。そこで私をみかねてマクロビオティックをすすめてくれました。私は食べ物を変えたくらいでどうなるものでも、と思いましたが、どん底状態だったのでちょっとやってみようと思いました。ワラにもすがる思いです。
玄米ごはんにゴマ塩、味噌汁、きんぴらごぼう、これを毎日やりました。昼間は会社なので何も入っていないかけそば、夜と朝は玄米ごはん、これを半年くらいやったところ、体力が戻ってきました。走れるようになってきました。自分は病気になったら病院にいって検査をして薬を飲んで治るんだよと思っていたので、それが大きくくつがえされました。それよりももっといい方法があった、それがマクロビオティックなのだと思いました。
そのことがあってからだんだん考え方が変わってきました。西洋医学の治療は今回の自律神経失調症が初めてではなく、高校生のときも血液の中の何かが普通の人の10分の1しかなく、色々な検査を繰り返しましたが結局何も分からず、そのたびに釈然としない思いを抱いていました。このことを機会に、西洋医学をきっぱり諦めよう、自分で治そう、そう決意し勉強を始めました。
本屋さんでいろんな健康の本を買ってかたっぱしから読んでいきました。その中に自然治癒力というのがありました。それから自然治癒力関連の本をいろいろ読んでみて、自然治癒力でまちがいないんじゃないかと信念のようになってきました。「自分は自然治癒力がおちているだけだ、これさえ戻れば健康になる!」と思うようになりました。それが信念になっていきました。
西洋医学は自然治癒力に焦点を当てていないし、薬などの治療法も自然治癒力を削いでしまいかねない。そこで、代替医療ということになっていきました。これを追い求めていく過程で自然治癒力が増していって、自分の体力が戻っていったように思います。
自然治癒力がなければ、手術というものはあり得ません。自分で自分を治す力、切っても縫ったから治るのではなく、自然治癒力のおかげで手術ができているんです。
さて、代替医療について少し説明をします。
オルタナティブ・メディスンを直訳したもの。現代医学に代わるもの。現代では、医療保険治療以外の、病院で行われているもの以外の治療のこと。保険がきかない治療になります。病院はほとんど保険がききますから。
いろんな種類があり分け方がありますが私なりの分け方でお話をさせていただきます。
伝統医療として、中医学(東洋医学)があります。
漢方、ハリ、気功・・・等。漢方薬は保険適用外になっていますが、ツムラのように医薬品に認められているものは西洋薬と同じように効き目があり、副作用もあると思ったほうがいいでしょう。漢方の名人というのは西洋医学のように即効性を重視するのではなく、副作用を押さえながら穏やかに治していくことを目指しているそうです。
それからインド医学。
ヨガ、アユルベーダ・・・日本では今やっている人がけっこういます。
マクロビオティック(玄米正食)、ゲルソン療法、健康食品、絶食療法(断食)・・・
マクロビオティックは聞いたことがあるかもしれませんが、ゲルソン療法は知っていますか? マクロビオティックは野菜を生で食べてはいけない。ゲルソン療法は野菜を生で食べなくちゃならない。考え方が全然違います。ところが、マクロビオティックでもゲルソン療法でもガンが治っている人がいます。
このように食事療法にはまると出口がみえなくなります。わからなくなる。テレビで栄養素のことがあるとそればかり食べる。テレビでみのもんたが話すとスーパーでその食品がなくなってしまうという話がありますが、栄養素だけで考えるからああいう馬鹿なことになってしまう。食事療法をつきつめるのはむずかしいですね。
ホメオパシー、アロマセラピー、バッチフラワー・・・
私はほとんどやってみました。最近女性にアロマとかバッチフラワーとかホメオパシーは浸透してきています。バッチフラワーはホメオパシーを簡単にしたものと考えていただければ分かりやすいかもしれません。
リフレクソロジー、指圧、整体、操体法、太極拳、アレキサンダーテクニック・・・
操体法に出会ったのは大きいです。操体法というのは、息・食・動・想・環、これがしっかりしてれば病気にならないということです。逆にこれが乱れていると病気になりますよ、ということです。「息」とは呼吸のことです。「食」とは食事・食べ物、「動」は運動、「想」は心・感情・考え方のことです。「環」は住環境などの環境です。
生活習慣病と関係があるかといいますが、これ(息・食・動・想・環)がまさに生活習慣です。そして、これは全部自分でできること。自分がこれをしっかりしていないから病気になるわけで、自分でできることをしっかりやっていれば病気にならないという考え方です。この考え方を下に色々な代替療法に入っていきました。
呼吸って何?ということで 腹式呼吸法、丹田呼吸法、西野式呼吸法、等を勉強するという具合に・・・。
リラクセーション・イメージ療法・バイドフィードバッグ療法・絵画療法・アニマルセラピー・笑い療法・・・・などいろいろな療法があります。
セラピーティックタッチ・波動療法・その他(オーラソーマ・TFT・EET)などいろいろなものがあります。ホメオパシー、バッチフラワー、気功、鍼灸なども広義のエネルギー療法に入ります。その中の波動療法というのは波動ということで、水にありがとうと言えば結晶がよくなり、バカヤローといえば結晶が悪くなるという話を聞かれたことがあると思いますが、その元になる考え方です。
びわの葉温厚法・酸素療法・酵素療法・代謝療法等・光線療法・・・等があります。
だいたい皆さんが知っているものや、一度や二度名前を聞いたことがありそうなものだけを挙げせてもらいました。まだまだここに上げていない療法もいっぱいあります。西洋医学はあくまでもこのなかの単なるひとつにすぎません。いろんな療法があるなかの一つにすぎないのに、これが100%くらいのイメージになっているわけです。
このようなことをいろいろやっていて、少しずつ自分の体重や体力も戻り、47キロまで落ち込んでいた体重は54キロまではすぐに戻りましたが、そこからはあまり増えなかったです。それから7〜8年かけて少しずつ戻っていきました。いま60キロ前後。体調的には少し疲れていますが、20代の時よりも元気、ゴルフにいっても以前より今の方が疲れないですよ。
代替療法を経験した中で特に何がよかったの?というと、まずマクロビオティックがよかったです。そのときだけで、今は全然やっていませんが・・・。あとはハリが効きました。結構ハリは効くかもしれません。うまい人のハリは結構効きますよ。あとは操体法です。操体法は考え方から手技まで、21世紀の整体だと思っています。操体法は現在当院でも取り入れています。そのほかにはいろんな本を読んで病気に対する考え方や人生に対する考え方が変わったことです。
健康にとって一番大事なのは、一言で言うと病気を恐れないこと。これがすべてだと思います。病気を恐れない人は病気になりにくく、病気を恐れる人は病気になりやすいということです。病気にならないようにと考えるのはダメです。 脳の潜在意識が病気をそのままイメージしてしまいます。病気になりたくないと考えるのではなく、健康になりたいと考えてください。健康のために歩く、健康のために食事を考えるということです。脳に病気ではなく健康だけをインプットさせるようにするんです。恐れると恐れたことがおきてしまいますから。
お伝えしたいことは、医療には西洋医学から代替医療までさまざまあるということです。代替医療には東洋医学やインド医学などのように体系づけられたものから胡散臭いものまでさまざまあります。このような医療の中からどれが自分にあった医療なのかを選ぶということです。このなかでは、どうしても保険がきく西洋医学に選択肢がいきがちなのは仕方がありません。ただ私は自分自身の経験上決して西洋医学だけが唯一最良の医学であるとは思っていません。西洋医学を受けながら併用して代替医療を受けてみる、という考え方もあります。自分を治すのは医者でもなければ薬でもない。自分に備わっている自然治癒力だけが病気を治せるのです。
いい薬が自分を治すと信じている人が世の中に結構いますが、世の中に病気を治せる薬はゼロなんです。症状を軽減する薬はありますが病気を治せる薬はありません。また病気を治せる医者もいません。病院のジプシーをしている人は意外と一生病気から抜け出せないものです。肝心なことは、自分の病気は自分でしか治せないということ。つきつめていくと、いろんな病気が自分で治せると思います。難病、大病も医療の力を借りることはあっても、最終的には自分の力である自然治癒力でしか治せないということです。
この自然治癒力こそが唯一自分の病気を治してくれるものだということを解ってください。10何年かけて病気と闘ってきましたので いろいろ考えさせられてきました。たどりついた自分の考えを、少しでもお伝えできればと思い、お話しさせていただきました。ありがとうございます。
Q こういう病気になる人はまじめ?
A そうですねどちらかというと自己中心的な人や、物事を他人のせいにする人は病気になりにくいかもしれません。どうしても真面目な人や人が良い人がこういう病気になりやすいかもしれませんね。
Q 娘は昼夜が逆転していたがだんだん治ってきた。薬は飲んだ方がいいのか?
A 薬は目先のことに耐えられないなら飲んだほうがいいと思います。薬をやめなくてはいけないということを、頭にいれておかなくてはいけません。時間をかけながらいった方がいいですね。薬を飲んだから安心という安定感はあるわけですから、これをやめてしまうと逆にストレスになるでしょうし。
Q 更年期障害とは?
A 自律神経失調症の一種です。女性ホルモンの減少で起こるといわれています。しかし女性ホルモンは100%の女性が減りますが、更年期障害は発症率が更年期女性の30%程だと言われます。私は女性ホルモンの減少は単なるきっかけに過ぎないと思っています。原因は精神的なストレスじゃないかと・・・。骨粗鬆症になるのは歩かないのが大きな理由じゃないかと思っています。お年寄りでも自転車に乗っている人と歩く人では歩く人のほうが骨粗しょう症になりにくいと思います。
Q 自己啓発本はどんなものを読みましたか
A 中村天風(宗教家)や船井幸雄さん、波動の本など
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