掲載日:2012年5月13日
お題会社員時代、肩こり・自律神経失調などの不調を抱えていたため、自分で野菜を作り食事に気を配り、体操を実践するもなかなか効果がでず、整体やマッサージへ通院。しかし、なぜかそれらの施術がすべて体に合わず、悩んでいました。ある日、無痛整体という整体を知り、体験。初めてもみ返しがなかったことと、体の感覚が今まで受けた整体とまったく違うことを感じ、治りたい一心で無痛整体を学びました。その後、私と同じような悩みで困っている方の手助けをしたいと思い、整体師となりました。今では無痛整体に加え、色彩療法など、より効果を高める方法を見つけ取り入れています。
*商標登録、著作権の関係のため、初めに、私がどうして色に興味を持ったのかを話したいと思います。そして今日、私が皆さんに伝えたいことは「色は言葉、メッセージ」ということです。例を挙げ、お話していこうと思います。また、色の仕組みを知っていると生活の上で便利なので、その事も合わせてお伝えしたいと思います。
(スライドを見せて)これは私の「偏愛マップ」です。
※自分の興味のあること、好きなことを一枚の紙に書き出したもの。
「偏愛マップ」は自分を知るツールの一つです。整体院を開院する前に「自分とは何か」をこのツールを使ってまとめてみました。まとめた結果、私がなぜこれらの事が好きなのか、傾向が分かりました。そのキーワードは「知る、変化、表現、実用的、バランス、癒し、達成感」です。興味の理由は、これらのいずれかに当てはまります。「色」は、この好きなことの一つでした。このツールを作成した当時、すでに私は色の勉強を始めていました。
初めて色に興味を持ったのは社会人になってからです。ある化粧品会社の小冊子に「色について」のコラムがあり、それを読んだことがきっかけです。そこには「植物の葉と花は、色のコーディネートが良い」とありました。「???」と思いましたが、その言葉が心の中にずっとあり、その後、葉色と花色の配色に関心を持つようになりました。
もともと私は植物を育てることが好きでした。いくつかの植物を使い、コンテナガーデンを作ることを楽しんでいました。
※コンテナガーデンとは、一鉢の中にいろいろな種類の植物を植え込んだもの。
このように、どちらも、紫の花色に合う緑の葉です。花はもともと葉から変化したものなので(つまり葉由来の花色になる)、センスの悪い組み合わせになることはありません。わたしたちは葉の色を単純に「緑」と表現していますが、厳密に言うと「白みの緑⇔黒みの緑」と「黄緑⇔青緑」の座標上の「緑」です。※表1,参照。その葉から変化した花色は「白みの紫⇔黒みの紫」と「青紫⇔赤紫」の座標上の「紫」になります。※表2,参照。赤や黄の花色でも同様です。みなさんも服やインテリアのコーディネートをする時は、花色と葉色の配色を参考にすると良いと思います。
私はますます色に興味を持って、セミナーに通いました。ある先生が「色は目でも感じますが、肌でも感じることができるのです」とおっしゃいました。このことに私はすごく衝撃を受けました。「色はもっといろいろな可能性がある」と感じ、勉強を続けました。
色というのは「見ることによって、色の感覚を引き起こす『放射エネルギー(電磁波)』」です。光の中には、さまざまな色が存在しています。(380nmから780nm ※nmは波長の単位)自然の中で虹として見るか、光を分ける部品(プリズム)を通さないと、私たちには白い光としてしか認識できません。この分けられた色の中で私たちが見ることが出来るものを、「可視光線」と言います。※波長の長い順に「赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫」
また、可視光線の両隣に紫外線、赤外線があります。これは「可視光線」に対し、「不可視光線」と呼びます。※波長の長い順に「赤外線・赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫・紫外線」紫外線は、赤外線と比べるとエネルギーが大きいです。
次に「色として認識するしくみ」を説明します。人間の目は物質に吸収されない、つまり反射された放射エネルギーを電気信号として受け取り、脳で「ある特定の色」として認識します。例えば「赤いリンゴ」は青と緑色が物質に吸収され、反射されるエネルギーを脳では「赤」と認識します。「黄色いレモン」は青が吸収され、赤と緑が反射されるので、「黄」と認識します。「大根」は全ての色が反射され、「白」と認識します。「コンクリートの色」は全ての色が少しずつ反射され「グレー」と認識します。
次は「色の心理・生理的効果について」の例を挙げます。資料によると、〜「緑」は「赤による刺激の緩和」に効果がある、「手術着」などに使われる〜とされています。これは医者や看護士が、患者の血液の色「赤」の刺激で自分たちの体が緊張し、血圧を上げてしまうのです。手術では冷静に処置をしなければならないため、赤による緊張を弱める効果のある緑色の手術着を着用します。
また、お化粧をする時、頬の赤い人は「緑」のコントロールカラーを使います。なぜなら赤色が緩和され、その上にファンデーションを重ねることで、肌色が均一化してきれいに見えるからです。
「お手洗い」や、「男・女」と文字が無くても、何の場所か、またどちらに行くのか間違うことはありませんね。皆さんは男女の別をマークの形から判断しますか?色、それとも文字で判断しますか?
図1の私の銀行のイメージは「真面目、堅い」です。そのようなイメージから色を考えると、グリーンやブルー系のロゴマークを思い浮かべます。ロゴマークのカラーに注目すると、その銀行がお客さんにどのようなイメージを持ってもらいたいのかが分かってきます。※図2参照
このように銀行のロゴマークの色から、いろいろなメッセージを受け取ることができます。
ところで話が少し逸れますが、「オレンジ」や「赤」(暖色系の色)はファーストフード店でよく使われている色です。それはなぜでしょうか。主に二つの理由が考えられます。まず一つ目の理由は、オレンジや赤は熟した食べ物をイメージさせます。だから食べ物を提供するファーストフード店は好んで使います。次に、第二の理由について述べます。資料の「赤」の心理・生理的効果に〜「時間を過大評価させる」効果があり、「飲食店のインテリア」に応用されている〜とあります。ファーストフード店は単価が安いので、客回転をよくしなければ売り上げが上がりません。そのため暖色系の色を使い、短時間しかいなくても長い時間くつろいだという心理的効果を強めています。つまり、お客さんはたった10分しかそこにいないのに、それ以上いた気分になって店を出る、ということです。そのため、青など寒色系の色を使った飲食店は少ないです。くつろぎたい時は、内装などに寒色系を使った店に入ると良いでしょう。
これらには共通点があります。どちらも、その土地の材料を使って家を建てています。コッツウォルズは付近の石を使って屋根や煉瓦の壁が作られています。統一された町並みを見ることができます。白川郷も同様に土地の材料から作った茅葺き屋根が町並みを整えています。
今の日本の一般的な都市ではいろいろなものが手にはいるので、家を建てる人の個性を出しやすいのですが、町全体の調和を取りにくくしています。便利な世の中ですがその点は残念です。
棚の中には、物が乱雑に入っています。テレビを見る時、棚のカーテンが開いたままだと、色の情報が多すぎて疲れます。(色の情報とは、色数が多いという意味です。)カーテンを閉めると色数が少なくなり、整理された印象になります。
色は言葉、メッセージです。こちらの画像は洋服ケースに貼るためのシールです。色を見ただけで、どこに必要な季節のものが入っているか、分かるようにしています。字を読まなくても色のイメージでとらえ、判断できます。(春夏は若々しいグリーン、秋冬は枯れた木々と葉の色)
これは都心の風景です。色が整理されてないと、このような感じになります。いろいろなお店がそれぞれの思いで無秩序に表現した結果です。別の言い方ですと、「お祭の雰囲気」と言えば良いでしょうか?お祭は、ある特定の短い時期に心躍る時間を持つことです。日常ではありません。日常にお祭を持ち込むと、すごく疲れます。
このような強い色を家の中に取り入れる場合、家でも長い時間滞在しない場所、例えば玄関やトイレなどに使うと良いかも知れません。短時間ならそのような強い色を見ると、良い意味での刺激を受けます。(具体例:玄関マットや洗面所のタオルに、赤や黄などの強い色を持ってきます。)
リビングのように長い間過ごす空間は、目につきにくい、気にならない色(印象の薄い色)が良いと思います。先ほどの棚のカーテンのように、自然の中にある色は気になりませんし、呼吸も深くなり、見ているうちにゆったりした気持ちになります。長い時間過ごす空間だけでなく、面積のある空間も同様です。なるべく自然の色を取り入れます。そうすると、室内の配色の失敗を少なくできます。また、私は棚の時計の隣に、赤の小物をおいてアクセントにしています。少量強い色を入れると、大きな空間が引き締まります。
色のことは専門的に勉強しなくても「花色と葉色」の関係のように、自然から学べます。空の色はブルーや灰色・白。山や木の色は、茶色や緑。アクセントはお花の色から、ピンク、ブルー、黄などです。
私は、頻繁に取り出す小物の色を目立つ色にしています。バックの内張は黒や茶が多いので、同じ暗い色だと探す時に不便です。具体的には財布、定期入れの色を、金色やオレンジにしています。
また、手帳やカレンダーで「緊急の予定は赤で書く」、 「急ぎではないけれど必ずすることは青で書く」など、自分で色のルールを決め、それに従って書く習慣をつけると一目で分かり、便利です。
洋服など身につける色で似合う色をパーソナルカラーと言いますが、みなさん、自分のカラーをご存じですか。(サマー、スプリング、などの声)。髪の毛・目・肌の色などでパーソナルカラーは決まってきますが、基本的に若い時から年をとるまで変わりません。パーソナルカラー診断をするカラーリストがいますので、是非一度、診断を受けてみられることをお勧めします。
みなさんは、デザインが気に入って買った服だけど、いざ着てみると目の下のクマや肌のシワが目立った経験はありませんか。誰でもそのような色が必ずあります。パーソナルカラーを知っておくと、そのような失敗が少なくなります。
先ほどの洋服ケース用のシールの話に戻ります。家族一人一人のテーマ色を決め、持ち物に決まった色のシールを貼ると、誰の物か一目で分かり便利です。(例:旦那さんは青、奥さんは赤、子供は黄色、ピンク、グリーンなど。)
私は、料理を盛る食器の色にも気を使います。これはリンゴを青い器に載せました。青は味がしっかり付いていることを意識させます。薄味のものを盛る時に使っています。また、青系統の色はダイエットに良いです。先ほど例を挙げたファーストフード店のように、赤系統の色は熟した食べ物のイメージがあるので、食欲を増進させてしまいます。反対に青や紫は食欲を減退させます。紫の食器に料理を盛ると、とたんに食欲がなくなります。料亭で使う漆塗りの黒い器は、料理を軽やかに感じさせます。また器の色のコントラストによって、料理が引き立ちます。そして重厚感があるので「料亭」らしさを感じます。
私は以前受講した色のセミナーで「色は目でも感じますが、肌でも感じることができるのです。」という言葉に興味を持った事を、すでにお話しました。開業前、色のカードを体に乗せ施術をすると、どう体が変化するか試していた時期、その言葉を実感する出来事がありました。
ある患者さんに「筋肉反射テスト」(※下記参照)で選んだオレンジ色と黒色2色の色のカードを仙骨(おしりとウエストラインの中間部分)に乗せ、施術をしました。(患者さんの体に合った色をその仙骨に乗せると、筋肉バランスが整います。)その日は黒を体側(下)に置き、その上にオレンジを重ねて置きました。翌日も同じように置いたのですが、なぜか筋肉バランスが崩れました。試しにオレンジを体側(下)に、黒をオレンジの上に重ねました。(前日とは上下逆に、色を重ねたのです。)結果は、驚いたことに筋肉バランスが整ったのです。(患者さんはどの色を乗せたか、見ていません。)
その後もいろいろな方に色のカードを乗せ、施術し、記録していきました。冷え性の方は赤、オレンジの色で筋肉バランスの整う方が多いです。その他の傾向は、紫がホルモンバランスの悪い人、黄色が胃腸の調子の悪い人に反応する傾向があることが分かりました。
健康な人は、太陽光の中にある色を、必要に応じて取り込めるようです。(※参照「カラー・セラピー 色彩の神秘力」 モートン・ウォーカー著)体調を崩すとそれがうまく働かなくなり、特定の色を何らかの方法で取り入れないと体のバランスがとれなくなると、私は考えています。
色彩療法については、すでに海外、国内で様々な研究発表があります。それらの研究結果は参考にしていますが患者さんには個人差があるので、私はそれに囚われすぎないように気をつけています。
(この後、筋肉反射テストを使ってその人に合う色を見いだす実験をしました)。
筋肉反射テストとは体の筋肉の反射(熱いものを触った時に考えずに手を引っ込めたりする本能)を利用した診断方法です。
一般的に、体にとって有害な刺激(触れたり、触られたり)が加わったときに微かですが筋肉は力が抜けて、そうでない刺激のときは筋肉は力が抜けないという人間が本来持っている能力(特性)があります。それを利用して、治療や、色々なものの判定に用いられています。筋肉反射テストの代表的なものにOリングテストがあります。 参照 はてなキーワード
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