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掲載日 : 2016年6月11日

タイトル

講 座 名:おとなの社会科見学ツアー
ハンセン病資料館の見学と全生園を散策
案内人:吉田 文枝(大人の学校スタッフ)
開催日:2016年5月24日 (火)

講座の一コマ
敷地内に入ったとたん、木々がうっそうとして....

JR新秋津の駅を10時にスタートし、一列になって歩き始めました。お天気も上々のなか、20分ほどの道のりで多摩全生園の北側に到着しました。

敷地内に入ったとたん、木々がうっそうとしてさやさやと心地よい風が流れています。緑の中をまずはハンセン病資料館に向かいました。映像ホールでみた『柊の向こう側』というビデオは、これまでのハンセン病の歴史や国の政策に翻弄され長く苦しんできた人々の様子が簡潔に描かれていて、最後のほうでようやくこのタイトルの意味がわかるのでした。

その後、全生園のなかをみんなで歩きました。縁のなかはいくつかのエリアに分かれていて、納骨堂や資料館のあるエリアや耕作地のなごりを残すエリア、教室や図書館や運動場、教会や寺院などの宗教のエリアなど、ひとつのおおきなまちを形成しているのがわかりました。

講座の一コマ
食堂『和(なごみ)』

ひととおり歩いてお昼、園内の食堂『和(なごみ)』で釜飯定食をいただきました。最近上映され話題になった河P直美監督の映画『あん』のポスターが食堂の入り口に貼られていました。

その後ふたたび資料館に戻って館内を自由に見学し、最後に語り部の方から直接お話を伺う機会を得ました。もうじき90歳になるという元患者の平沢保治さんのお話は、ハンセン病に対する差別や偏見と長く闘ってきた苦労を感じさせない淡々としたものでしたが、そのことが逆に言葉のひとつひとつに重みを感じさせました。「おかれた環境の中で倖せは自分で作る」という言葉が、わたしはとくに心に残っています。

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帰宅して、神谷恵美子さんの「癩者に」という詩を読み返しました。神谷さんは医師として全国に14か所ある療養所のひとつ、長島愛生園で働かれた方です。「なぜ私たちでなくあなたが?」。詩の中のこの言葉を何度か繰り返しながらきょう一日をなぞってみました。参加者の皆さんも、さまざまな思いを抱いて帰路につかれたことでしょう。

( 報告:いーはとーぶ )

本講座チラシ PDF 219KB)