コミュニケーションの講座･･･と聞くと私たちは、相手と上手にスムーズに会話したり情報交換したりするためのスキルを学ぶのかな…と想像します。

今回の講座は、ナ、カ、マ、タ、チの音で始まる様々な単語を、最初は自分１人で考え、次は2人で、次は5人のグループで考える作業を通して「人は人と交わることで自分の限界がぐんと広がり、それがまた刺激になって自分に返ってくる」という事を体験することから始まりました。「私たちは常に世界、自然、周囲の状況など様々な影響を受け、心身状態が変化しながら生きている存在です」（井戸先生）。

その後、50問の質問の答えを点数化してグラフを作り一人一人のエコグラムを作りました。５つの指標でグラフを見ることで、その人がどんな特性があるのかわかるようになっています。自分のエコグラムを分析し知っておくと、何か対人関係で悩みがあるときなど、自分がどのような価値基準で考え判断し行動しているかを客観的に振り返ることが出来るので、自分の傾向を調整して考え方や行動を変えることで、解決の道を探ることが出来ます。

他者の中には自分自身も含まれていることも大切な視点でした。具体的な例（ただ耐え忍ぶだけの母親を見て、その娘はどのように成長するかなど）も分かりやすく、参加者一人一人も自分の特性に引き比べて深く考えることができました。人を恨み、悲しんで生活するより、にこにこして暮らしたい。そのように生きていくためには自分はどう考え行動したらいいのか…まずは自分を知ることからですね。

（報告：レッドウイング）

講師プロフィール

所沢市高齢者大学で傾聴講座の講師を 20 年務める。卒業生と共に「NPO 法人 所沢市思い出語りの会」を設立。社会教育主事。

（ 本講座チラシ PDF 114KB）