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掲載日 : 2019年12月4日

タイトル

講 座 名:社会運動学習会
子どもたちが危ない!「道徳」教科化の問題点
講師:宮澤 弘道 さん
開催日:2019年11月9日(土)

講座の一コマ

 
講座の一コマ

11月9日(土) 子どもたちが危ない!「道徳」教科化の問題点と題して、公立小学校教員の宮澤弘道さんを講師に学習会を開催しました。

大人の学校では、「市民社会の作り方」をテーマに様々な問題を発信している『社会運動』(発行:市民セクター政策機構)をテキストに、定期的に学習会を開催しています。

今回は生活クラブと共催で、2018年度に小学校から始まった道徳の教科化について考える機会をもちました。

学習会では、実際に教材を読み、宮澤さんが授業で行っている中断読みの実践の話も体験しました。以下、参加者のアンケートの回答から抜粋しました。

  • 道徳を授業で教えても無意味で効果(?)がないと思っていたが、恐ろしいものだと知った。高田さん
  • 思考回路や考え方を一本化しようとしていることがわかり、とても参考になった。帰ったら子どもたちの教科書を読みたいと思った。そして話し合いたいと思った。Wさん
  • 知らず知らずのうちに刷り込まれていくという部分。親としても知らず知らずのうちにそのように接していないか見返すきっかけになった。Nさん
  • これまで「いい話」ととらえていた道徳の話が、かなり誘導的に作られていることに気づき、驚き、ぞっとしました。掲示された価値だけに焦点を絞ると画一的な思考になり視野が狭くなってしまいそうです。Hさん

小中学校は定期的に地域に開かれていて、その際の授業参観などは子どもが現役で学校に通っていなくても出かけることができるようです。

2019年9月27日の朝日新聞「声」の欄には、そのような参観の場に参加した方が、「道徳というより思想的で、前近代的な封建的家族観を復古させる意図が働いているように感じた」と述べています。そしてまた、「何よりも心配になったことは、この『心理教育』の場を参観している保護者が、私一人であったことだ」と結んでいました。

地域の宝、未来を背負って立つ子どもたちの教育に、私たちも関心を持ちたいものだと思います。

(報告:いーはとーぶ)

pin 講師プロフィール

1977年、東京都生まれ。都内公立小学校教員。 「道徳の教科化を考える会」代表。(株)現代書館「季刊 福祉労働」編集委員。東京大空襲、靖国神社、多磨全生園のガイドとして全国の教職員、市民に戦争や差別の実相を伝える活動を行う。同時に道徳の教科化を考える会を立ち上げ、学習会を主催しながらその問題点を整理中。
著書に『「特別の教科 道徳」ってなんだ?』(現代書館)、 編著に『つまり、合理的配慮ってこういうこと!?』(現代書館)他。

本講座チラシ PDF 414KB)