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掲載日:2024年8月31日

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講座の記録

講座名:生活クラブカッレジ2024 【全6回】
ハイブリット講演会(オンライン & 会場)

第2回 -- 夏休み特別企画「親子でSDGs」 --
シロクマの生態から見える気候危機
講師:丹葉 暁弥 さん( 自然写真家・シロクマ写真家 )
開催日:2024年7月27日 (土)

地球温暖化がシロクマたちにどのような影響を与えているのか、丹葉さんが撮ったたくさんの写真を見ながら話を伺った。夏休み企画ということもあり、小学生たちもたくさん参加してくれた。

丹葉さんは1998年からシロクマの聖地カナダのハドソン湾南西部のチャーチルという町に毎年通ってこられた。毎年10月半ばから11月の半ばにかけてそこに集まってくるシロクマに会うためだ。シロクマたちはそこで湾が結氷するのを待ち、湾が結氷すると主食のアザラシを求めて氷の上を歩いて猟に出、約半年で一年分のアザラシを食べ、そして氷が解ける前に、またチャーチルに戻ってくる。そして残りの半年を内陸のツンドラ地帯や針葉樹林帯の境目あたりで、何も食べず絶食のまま過ごす。

そんなシロクマたちの生活が、温暖化の影響によって大きく変化している。ハドソン湾が氷結する時期が、以前に比べ2か月近く遅くなっているのだ。また氷が解ける時期も少しずつ早まり、シロクマたちがアザラシを食べる期間が2か月くらい短くなっている。そのためシロクマたちの体重は減少し、体格も小さくなり、生まれる子供の数が3頭から1~2頭に減り、全体の生息数が減少しているという。現在ではシロクマは2100年には絶滅するのではないかと言われている。

厳しい現実だが、丹葉さんが撮ったシロクマたちは、みな愛らしく表情豊かで人懐こそうだ。丹葉さんから、「シロクマの毛の色は何色?メスとオスの見分けかたは?」など問題が出され、子供たちは楽しそうに答えていた。最後に丹葉さんは、シロクマたちの危機を救うために、自分でできることからやってみようと呼びかけた。ちょっとの間でも電気を消す、テレビを消すなどみんなでやってみようと。

このところの異常な暑さや頻発する雷雨やゲリラ豪雨に、日本の夏がすっかり変わってしまったことを実感する。もう以前の夏には戻らない。あのシロクマたちのやさしい顔を思い浮かべながら、北極のシロクマたちと私たちは同じ地球に住んでいることに改めて気づく。世界中の大人は、本気になって温室効果ガス削減に取り組まなくてはいけない。

報告 :赤羽
本講座チラシ