掲載日:2024年10月30日
講座の記録
講座名 | : | 生活クラブカッレジ2024 【全6回】 オンライン講座 第5回 共に生きるとは何か ~難民の声、家族の歴史から考えた多様性~ | |
講師 | : | 安田 菜津紀 さん フォトジャーナリスト | |
開催日 | : | 2024年10月17日 (木) |
生活クラブの情報誌『生活と自治』での巻末エッセイ「対話する日々の中で」の連載や、テレビの報道番組でもおなじみの安田菜津紀さんのお話を伺えるとあって、遅い時間の講座にも関わらずたくさんの参加をいただきました。
安田さんはフォトジャーナリストとして、いま世界ではこういうことが起きていて、そこで暮している人々がどういう状況におかれどういうことを考えながら暮らしているかなどを、写真を通して伝えています。
以前より足を運ばれているというシリアの難民の家族のお話、いま埼玉県内、特に川口や蕨で話題にされるクルド人への差別の話、日本政府の難民認定の低さがヘイトクライムのなくならない要因にもなっているのではないか、などのお話に続き、ご自身の家族の歴史からの様々な気づきのお話がありました。
とりわけ印象的だったのは日本国憲法の施行される前日(!)に発布された外国人登録令によりこれまで一方的に日本人とされていた朝鮮半島出身者が外国人とされ憲法の中の「国民」から除外され、さまざまな社会保障も受けられなくなったこと。そして、日本人ではない人たちが「治安維持」のために管理・監視されるという戦前の流れを汲むことになったこと、という歴史の事実でした。
在日コリアンへの差別がいまクルドの人たちへの差別につながり、言葉の暴力が命を脅かす暴力になることを安田さんは危惧されていました。いまパレスチナで起こっていることはまさに巨大なヘイトクライムであること、これらに対して足元から歯止めをかけることが必要であると強調されました。
川崎の桜本ふれあい館で行われている、ハルモニが子どもたちにキムチ作りを教えるお話も紹介されました。子どもたちが変わると家庭が変わり地域が変わる、とのこと。わたしたちは普段から小さな争いごとや差別に目を配り、日常を大切に過ごすことが戦争をなくすための第一歩である、と感じています。
報告 :いーはとーぶ
( 本講座チラシ )