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掲載日:2022年6月5日

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講座の記録

講座名:食と環境カレッジ2022 【全5回】
〈 SDGsとソーシャルアクション 〉
第1回 香害という公害 ~日常を脅かす化学物質汚染~
講師:平賀典子さん(日本消費者連盟 洗剤部会)
開催日:2022年5月26日 (木)
講座の一コマ
平賀典子さん
講座の一コマ
講座の模様

香害についての講座は、カレッジでは昨年に続き2度目(参考)となる。今回の講師平賀典子さんの講座でも、柔軟剤・芳香剤・マイクロカプセルなどの成分の毒性の強さや、人体に与える影響の深刻さが改めてよく分かり、初めて知ることも大変多くあった。

その中で、今回私の頭に残ったのは経済や社会についてのことだった。

日本では 2008年の「ダウニー」の発売以来柔軟剤の香りが強まったとのこと。アメリカではミレニアル世代が自然指向になったことから香料が使われなくなり、それに応ずるかのように日本での使用が増加した。日本のテレビCMでは、柔軟剤メーカーのCMが放送時間の長さでは上位にあり、毎日大量に流され私たちを洗脳している。TVはスポンサーの不利益になることは報じない。柔軟剤等は必要なもの、良いもののように刷り込まれ、その香りによって健康を害し普通の生活ができなくなった人たちの声はなかなか聴いてもらえない。

誰が得をして誰が損をしているのか。遺伝子組み換えの農産物、グリホサート系の農薬などと同じ構図が浮かんでくるのではないかと思う。講座の中で平賀さんは一つの映像を紹介された。映像では、自分が知らずに使っていた柔軟剤のせいで娘さんが健康を害し、学校に通うこともできなくなったことを言葉少なに話された1人の女性の姿があり、胸がふさがる思いがした。EUでは2022年に「意図的に添加されたマイクロカプセルを禁止する」方針を採択し施行するという。日本で香害をなくすための動きはまだ大きなうねりにはなっていないが、2021年に日本の5省庁連名で香害のポスターができたのは画期的だとのこと。

香害や化学物質過敏症に苦しむ人たちは「炭鉱のカナリア」といえる。私たち一人ひとりが今日聞いた話を周りの人に伝えていくことで、今はまだ小さな声をもっと大きな声にしていかなくてはと強く思った。

 

報告 :(A)
本講座チラシ PDF 201KB)